「子どもの行動に困っている」というお母さんは多いと思います。
「宿題を自分からやってくれない」というような学習面のお悩みから、「朝、着替えるのに時間がかかる」というような生活面のお悩みまで、その内容はさまざま。
ですが、そんなさまざまなお悩みを解決に導く方法があります。
その名も、「ABA(応用行動分析)」。
今回は、私も普段から使っているこのABAの手法を、わかりやすく紹介してみたいと思います。
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私は、プロ家庭教師として発達障害グレーゾーンのお子さんを中心に学習指導を行ってきました。10年以上前に、LD(学習障害)を持つ生徒を担当した経験から教育に携わることを決意し、さまざまな特性を持つ生徒さんに合わせたカリキュラムや声かけの方法を模索し続けてきました。今では、テストで30点しか取れなかったお子さんでも、安定して80〜90点を取れるように指導が出来るまでになりました。
Contents
「授業中に落ち着きのない子ども」の例 〜問題解決までの4つの手順〜
ここで具体的な例を挙げながら、ABAの方法を説明します。
例えば、授業中になかなか落ち着かない子どもがいたとしましょう。ABAのアプローチでは、次の5ステップを考えることができます。
ステップ1.行動の観察
まず、どんな行動が問題になっているかを観察します。問題の行動とは、例えば以下のようなものです。
・授業中に椅子を揺らす
・授業中に席を離れて歩き回る
ステップ2.目標行動の設定
次に、望ましい行動を設定します。以下のような目標行動です。
・授業中に静かに座って、注意を集中すること
ステップ3.プランの策定
プランを作成し、目標行動を達成するためにどのような手順を踏むか決定します。以下のように段階的に時間を延ばしていきます。
・まずは5分程度座ってもらう
・達成できたら1週間後に10分間に延ばす
・さらに達成できたら、1週間後には15分間に延ばす
ステップ4.プランの実行
実際にプランを実行します。子どもが目標行動を達成した場合は、それを褒め、報酬を与えます。報酬とは、例えば以下のようなものです。
- ほめ言葉: 例えば、「今日は、5分も座っていられたね!すごいよ!」「頑張っているね!」などの言葉が挙げられます。具体的な行動に対して褒めるのがポイント。
- 楽しい活動や遊び: 例えば、お気に入りの遊びに時間を費やすことや、好きな本を読んでもらうことが考えられます。
- スタンプやスタッカー: 子どもたちにも視覚的に理解しやすく、喜びや達成感を感じさせることができます。
ステップ5.プランの評価
目標行動を達成できるようになった場合は、プランが成功したといえます。プランが失敗した場合は、プランを修正し、再度実行します。
まとめ
今回は学習指導ではなく、子どもの行動にアプローチするために私が普段使っている手法をご紹介しました。ABAの考え方は、ご家庭での声かけにも応用できると思いますので、是非参考にしてみてくださいね。