こんなやり取りのあと、大喧嘩してしまったり、がっかりしてしまったりしたことはありませんか?
ケース①
母:「宿題終わったの?」
子:「終わった!」(本当は全然終わっていない)
後日・・・
母:「全然宿題出してないって、先生から電話があったよ!どうして嘘をつくの!?」
子:「だって・・・(言い訳が始まる)」
ケース②
母:「テスト返ってきた?」
子:「まだ!」(本当は返ってきているが、点数が悪いから見せたくない)
その直後・・・
母:「ゴミ箱の中から、ぐちゃぐちゃに丸めたテストが出てきたよ!なんで嘘をついたの!?」
子:「だって・・・(言い訳が始まる)」
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私は、プロ家庭教師として発達障害グレーゾーンのお子さんを中心に学習指導を行ってきました。10年以上前に、LD(学習障害)を持つ生徒を担当した経験から教育に携わることを決意し、さまざまな特性を持つ生徒さんに合わせたカリキュラムや声かけの方法を模索し続けてきました。今では、テストで30点しか取れなかったお子さんでも、安定して80〜90点を取れるように指導が出来るまでになりました。
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本記事では、「小学生の言い訳にうまく対処できる声かけ法」について、解説していきます。
Contents
子どもが言い訳を繰り返す原因は、「責められている」と感じているから
まずは、最初に挙げたお母さんの言葉を思い出して、「言われた側(子ども側)」の立場に立って考えてみましょう。
「宿題終わったの?」
「どうして言い訳するの?」
いかがでしょうか。
そう、この質問の仕方だと、子どもは「責められている」と感じてしまうのです。このような気持ちがあるときには、言い訳しか出てきません。
「責められたくなければ、さっさと宿題やっちゃえばいいじゃない・・・」
わかります。先生という立場で関わっている私ですらそう感じるのですから、毎日お子さんと向き合っているお母さんお父さんの立場からすると、ときには腹立たしく感じたり悲しくなったりしてしまうこともあるだろうと思います。
しかし、あとで怒られるとわかっていても、「今」怒られないことを優先してしまうのが子どもという生き物。
さて、いよいよ次の項目では、「責められている」と感じさせずにお話を進めるコツをお伝えしていきます!
(宿題をやりたがらない原因とその対策はさまざまなので、それについては別記事にまとめます。)
言い訳対策① 主語を「あなた」から「わたし」に変える
主語を「あなた」ではなく、「わたし」にしてお話をしてみましょう。
「(あなたは)なんで宿題をやらないの?」→「あなた」主語
「あなたが宿題をやってくれないことが、(わたしは)悲しい」→「わたし」主語
です。
「あなた」主語から「わたし」主語に言い換えるだけで、子どもに「責められている」という意識を与えることなく、同じことを伝えることができます。
この声かけによって行動改善したお子さんの一人にお話を聞いてみると、「お母さんが悲しんでいるなんて、知らなかった」「お母さんが悲しくなるなら、ちゃんとやろうと思った」ということでした。
言い訳対策② ”Why”(なぜ、どうして)から”What”(何が、何を)に変える
Why(なぜ、どうして)ではなく、What(何が、何を)で問いかけてみましょう。
「なんで」宿題をやらないの?→Whyの問いかけ
宿題やりたくないって思ったとき、「何が」あった?(どんな気持ちになったの?)→Whatの問いかけ
このWhatの問いかけのあとに、「○○ちゃんはこれからどうしたいの?」「お母さんに何か手伝えることはある?」と、少しずつ対話を進めていきます。親子の対話が深まることにより、お子さんはより安心感を感じることができ、結果として言い訳行動は減ってきます。
まとめ
今回は効果的な2つの声かけ法を紹介しました。この声かけ法を実践することで、お子さんが「”本当は”どう感じているのか」を話しやすくなるはずです。3回、4回と対話を繰り返すことで、お子さんの行動は徐々に変わってくることでしょう。お母さん・お父さんとお子さんとの対話がうまく深まりますように。