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私は、プロ家庭教師として発達障害グレーゾーンのお子さんを中心に学習指導を行ってきました。10年以上前に、LD(学習障害)を持つ生徒を担当した経験から教育に携わることを決意し、さまざまな特性を持つ生徒さんに合わせたカリキュラムや声かけの方法を模索し続けてきました。今では、テストで30点しか取れなかったお子さんでも、安定して80〜90点を取れるように指導が出来るまでになりました。
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本記事では、「九九が覚えられない」というお悩みに応えて、とっておきの対処法を紹介します。
子どもに何度「九九」を暗唱させても覚えてくれない・・・その原因とは?
九九を暗唱させても覚えない原因の多くは、ずばり、「耳から入る情報が苦手だから」です。
学校の授業は、板書はあるものの
・先生の言っていることを聞ける
・聞いた話を理解できる
という前提で進んでいきます。
耳から覚えた場合、
・7×4(しちし)と7×7(しちしち)
・4×9(しく)と7×9(しちく)
など、似た発音で混乱してしまうケースが多いです。
学校は集団授業で進んでいくので仕方がないのですが、耳からの情報に弱いという特性のために、結果的に勉強が苦手になってしまうお子さんが多いという現実。
こういったお子さんの場合、適切な学習方法に切り替えてあげるだけで、見違えるように伸びていきます。
せめて、自宅学習では学習方法を工夫し、苦手な部分をカバーしてあげたいものですね。
九九は「目」と「手」を使って覚える!
暗唱して九九を覚えるのに苦労している場合、とにかく何度も書いて覚えさせるのが鉄則です。何度も書いているうちに、視覚で覚えるようになってきます。
ただしこの方法の問題点は、「わからなかったり間違えたりしたときに、嫌になってしまう」お子さんが多いこと。
それを解決するためには、もう一歩工夫する必要があります。
その工夫とは、答えまで書かれたプリントを用意し、「分からなかったら答えプリントを見てもいいというルール」にすることです。さらに、時間も計ります。
最初のうちは、「答え見てもいいの?やったー!」と、嬉々として答えを見ながら問題に取り組むことでしょう。
しかし何度も取り組んでいるうちに、「答えを見るより、自分で答えを思い出した方が速く解ける」というタイミングが必ずやってきます。
ここまで来れば、子どもはもう勝手に一人で覚えます。時間を計って記録することで、お子さんのモチベーションに火をつけてあげてください。
さいごに
結局書いて覚える、というだけの、ありきたりだと思われた方もいるでしょう。
しかし、勉強のニガテなお子さん(特に、その子の持つ特性によって勉強がニガテになってしまったお子さん)には、それぞれの特性に合わせた指導方法で教えるということがとても大切です。
今回は九九について紹介しましたが、他にも単元によって工夫の方法はさまざまです。
お子さんの「ニガテ」が、少しでも「スキ」に変わりますように。